「生きた化石」が息づく国指定天然記念物
トガサワラは、約数百万年前の比較的温暖な時代に北半球に広く繁栄したマツ科の針葉樹の珍種ですが、地質時代の気候変遷により、特に洪積中期の寒冷期にはほとんど絶滅してしまいました。現在は紀伊半島と四国南部のごく一部に見られる日本固有種で、いわゆる生きた化石植物として学術研究上貴重な資料となっています。この三之公の純林は標高450~730メートルの間で21.67ヘクタールにわたっており、1929年(昭和4年)12月17日に「三ノ公川トガサワラ原始林」(さんのこうがわとがさわらげんしりん)という名称で、国の天然記念物に指定されています。
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トガサワラは、松科の常緑樹の一つで、「サワラトガ」という別名があります。葉や外形(樹皮)が「トガ(ツガ)」に似て、材は「サワラ」に似ているところからついた名前と考えられています。
幹の長さ約30m、太さ約1mに達することもありますが、不安定な急斜面に生育するので容易に近づくことはできません。
駐車場 | なし |
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住所 | 奈良県吉野郡川上村神之谷字三之公 |