蜻蛉の滝は落差約50mの2段の滝で、奈良県が選んだ「やまとの水」(平成3年12月選定)にも選ばれています。あきつの小野公園から遊歩道を上って5分程で到着できるこの滝は、気軽な散策スポットとしても人気です。滝の上段・中断・下段に滝見台が有るため、すぐそばから滝を眺めることができます。見る場所によって水の音の聞こえ方が変わります。また、天気の良い日には飛沫が太陽の光に映えて虹を浮かびあがらせることがあり、虹光(にじっこう)の別名もあります。蜻蛉の滝は古く万葉集にも記述があり、天武天皇、持統天皇も行幸したほか、松尾芭蕉、本居宣長など著名人が多く訪れています。
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松尾芭蕉の門下で、蕉門十哲の第一番として名を知られる 宝井其角(たからい きかく)も、蜻蛉の滝を訪れました。元禄7年(1694)9月であったと言われています。滝壺の傍、橋のたもとには、其角の句碑があります。「三尺の身をにしかう(西河)のしぐれかな」。
「蜻蛉(せいれい)」とはトンボのことです。『日本書紀』によると、第21代雄略天皇がこの地に狩りに訪れた時、天皇の肘に嚙みついた虻(アブ)を、どこからか現れた蜻蛉(トンボ)が咥えて飛び去りました。雄略天皇はトンボの行いを歌に詠んで大いに讃え、この地を蜻蛉野(あきづのをの)と名付けたとされています。
駐車場 | あり(あきつの小野公園) |
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住所 | 奈良県川上村西河 |