後南朝時代の歴史を今に伝える古刹
金剛寺は高野山真言宗寺院で、後南朝菩提所としても知られています。この寺には、宮内庁の後南朝墓所、自天王神社や後南朝の遺品の収蔵庫などがあります。本尊の地蔵菩薩は、その昔、大峰山を開かれた役行者が、自分で彫刻した地蔵菩薩像を大峰山から投げられ、神之谷に落ちたものを地元住民が有難く感じ、役行者を讃えて大切におまつりしてきたと伝えられており、「投げ地蔵」と呼ばれています。本堂、牛頭天皇神社は近世寺院建築様式、神社は一間流れ造りです。また、金剛寺堂宇、牛頭天王神社社殿、木造釈迦如来坐像、木造地蔵菩薩立像、木造僧形坐像、自天王遺品(太刀・長刀・胴丸/南北朝)など数々の村指定文化財を保存しています。
PickUp
境内には、様々な巨木があることも魅力の一つです。釣鐘堂の前のケヤキの巨樹は、高台で永年の風雪に耐えきれず破損がひどく、大きな空洞が内部に出来ています。このほかにも大きなケヤキが数本あります。また、裏山にはウラジロガシ、宝物殿の裏には村内でも数少ないカゴノキ、自天王のお墓の上方にはトチノキがあります。
金剛寺では、1459年から毎年2月5日に自天王が三之公の御所で御即位された『朝賀拝礼』の儀式を模して「御朝拝式」が行われます。吉野に逃れた自天王(尊秀王)は1457年に北朝方の赤松家一党によって、悲運の最期を遂げました。惨事を聞いた川上郷士たちは自天王の御首を取り返し、金剛寺に手厚く葬ったと伝えられています。
駐車場 | あり |
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住所 | 奈良県吉野郡川上村神之谷212 |
電話番号 | 0746-54-0632 |