藁(わら)を綯(な)うように人と人を結ぶ
(村上 哲郎さん)

「村上先生」こと村上哲郎さんは、新任の頃より川上村の小学校で教鞭をとっておられました。村に住みながら、長年教諭をされていたので、村中教え子だらけ。今は、シニアクラブの活動でもしめ縄作りの先生をされています。

手を擦っているだけのように見えるけど・・・。
昨今では、家や神棚にしめ縄を飾るという風習も薄れてきました。こと神仏を大切にしていると言われる川上村においても、その流れは顕著に。お正月にしめ縄を飾りもしないという時代。シニアクラブの活動で山幸彦まつり(村のお祭り)でしめ縄の販売もしていますが、しめ縄を作れるという会員さんも少なくなってきているそうです。そんな中、村上先生に体験プログラムで「しめ縄作り」を教えてもらいたいとお願いしました。
「川上村までわざわざ来てもらってのしめ縄作り体験、しかもこんな値段でなんて来ないよ」と先生に言われながら企画をすすめていきます。無料に近いようなワークショップを実施しているところもありますが、「昔は自分でわら草履をつくって、学校に行っていた」という先生の体験談を含めて、藁を使うことはくらしの一部であったことなどを教えていただきたいと話し合いを重ねました。
子どもにもわかりやすく教える先生
蓋を開けてみると定員いっぱい。せっかく来てくれるんだから…と先生の準備にますます熱が入っていきます。スタッフと先生は米農家さんにしめ縄用に藁を残しておいて欲しいと頼み、刈り取った翌日に田んぼに寝かされているもち米の藁を束ねて持ち帰って、しばらくの間天日に干しておきました。そしてあらかじめ藁を木槌で叩いて袴取りをします。プログラム実施の前にまた、木槌で叩き柔らかくします。スタッフも経験がないので苦労しました。

手元を見なくてもあっという間に
しめ縄の基本は「縄を綯(な)う」こと。一見、手を擦り合わせているだけのように見えるのですが、実際にやってみるとこれが難しい作業。頭で考えるとこんがらがるような作業に苦戦する人も。これができないとしめ縄はできないので、必死にくらいつきます。「子どもが上手にやってくれていたのがよかった」と先生。スタッフも事前に講習を受けたのですが、参加されたみなさんの出来栄えの差に驚きました。

それぞれ立派なしめ縄が
しめ縄とはどういうものかについても教えてくれました。そもそもは神様のいる場所と俗世を分ける結界の意味を表すもので、お正月のしめ飾りは年神様をお迎えする場所を示すものということのよう。
村上先生は、「日本人が忘れかけている、古くからの慣習。その本当の意味を伝えていくことも大切なこと。源流ツーリズムの企画にはそんな思いも含まれていると思い精一杯やらせてもらっている」と話してくださいました。




